見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
尋ねてみようとしたとき、どこからか音が鳴り始めた。藪さんに電話がかかってきたらしく、「ちょっといい?」と私に断りを入れてスマホを耳に当てる。
聞き耳を立てていると思われたらいけないし、とりあえずダイニングのほうに行っているか……と、歩き出そうとしたときだった。
「ああ、今から行くよ。……え? ガキが産まれそうだと!?」
藪さんが発した驚きの声に、私は思わず「えっ」と言って振り返った。
誰か子供が産まれそうなの? 緊急事態じゃない!
藪さんも焦燥感たっぷりに、かつ力強く言い放つ。
「俺に電話してる場合じゃねーだろ! 畑なんか気にしなくていいから早く行ってこい。しっかり奥さんのケツ押してやれよ」
「ケツを押す……?」
最後のひとことに反応してしまった。藪さんはぐっと拳を握ってカッコよく言っているが、なんのことだろう。
考え込みそうになったが、そういえば心晴さんが、『陣痛のときお尻の穴の辺りを強く押してもらうとラクだった』と言っていたことを思い出す。
それのことか……ていうか、藪さん独身のくせになんでそんなこと知ってるんですか。
聞き耳を立てていると思われたらいけないし、とりあえずダイニングのほうに行っているか……と、歩き出そうとしたときだった。
「ああ、今から行くよ。……え? ガキが産まれそうだと!?」
藪さんが発した驚きの声に、私は思わず「えっ」と言って振り返った。
誰か子供が産まれそうなの? 緊急事態じゃない!
藪さんも焦燥感たっぷりに、かつ力強く言い放つ。
「俺に電話してる場合じゃねーだろ! 畑なんか気にしなくていいから早く行ってこい。しっかり奥さんのケツ押してやれよ」
「ケツを押す……?」
最後のひとことに反応してしまった。藪さんはぐっと拳を握ってカッコよく言っているが、なんのことだろう。
考え込みそうになったが、そういえば心晴さんが、『陣痛のときお尻の穴の辺りを強く押してもらうとラクだった』と言っていたことを思い出す。
それのことか……ていうか、藪さん独身のくせになんでそんなこと知ってるんですか。