見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
「てことで、急いで向かうわ。またね、希沙ちゃん」
笑顔を見せてひらりと手を振り、私の横を通り過ぎていく彼を見て、なんだかもどかしい気持ちになる。
私にもなにかやれることがあるんじゃないだろうか。ひとりでここにいて寂しくなっているよりは、誰かのために動いたほうがいい気がする。
「あの……藪さん!」
玄関ホールを抜けていく彼を追いかけ、呼び止めた。彼が不思議そうに振り返る。
「私でよければ、手伝わせてください!」
私の申し出に、藪さんは一重の目をぱちくりさせ、少々困り気味に眉を下げる。
「それはすごくありがたいけど、結構大変だよ? キャベツは重いから重労働だし」
「これでも私、体力あるんですよ。お茶の収穫とはだいぶ違いますけど、畑作業には慣れているし、少しでも力になれたらなと」
胸を張ってそう言うと、藪さんの瞳の色が変わった。私に真剣な顔をずいっと近づけて確認してくる。
「本当にいい? 予定はないの?」
「大丈夫です」
しっかりと頷けば、彼は勢いよく私の手を取り、「ありがとう! すっげー助かる」と、とっても感激していた。
笑顔を見せてひらりと手を振り、私の横を通り過ぎていく彼を見て、なんだかもどかしい気持ちになる。
私にもなにかやれることがあるんじゃないだろうか。ひとりでここにいて寂しくなっているよりは、誰かのために動いたほうがいい気がする。
「あの……藪さん!」
玄関ホールを抜けていく彼を追いかけ、呼び止めた。彼が不思議そうに振り返る。
「私でよければ、手伝わせてください!」
私の申し出に、藪さんは一重の目をぱちくりさせ、少々困り気味に眉を下げる。
「それはすごくありがたいけど、結構大変だよ? キャベツは重いから重労働だし」
「これでも私、体力あるんですよ。お茶の収穫とはだいぶ違いますけど、畑作業には慣れているし、少しでも力になれたらなと」
胸を張ってそう言うと、藪さんの瞳の色が変わった。私に真剣な顔をずいっと近づけて確認してくる。
「本当にいい? 予定はないの?」
「大丈夫です」
しっかりと頷けば、彼は勢いよく私の手を取り、「ありがとう! すっげー助かる」と、とっても感激していた。