お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?


 驚いて振り向くと、そこには結人が居た。


 資料室の鍵を閉められ、紗良は閉じ込められた。


「な・・・何? ・・・」


 できるだけ落ち着いて、紗良はシレっとした顔をした。


「何故俺の事避けるんだ? 」

「何言ってるんですか? ・・・別に避けてなんていません。副社長と、何も接点なんて私にはありませんから」


 ドン! と、壁に手をついて、結人は紗良に顔を近づけた。


「お前、何を隠しているんだ? 」


 真剣な目で間近で見つめる結人に、紗良はちょっとだけ驚いた。


「何を一人で抱えているんだ! 」

 
 結人の見つめる眼差しが、紗良の胸をキュンとさせた。

 
 思わず紗良は持っていたお弁当箱を落としてしまった。



 ランチバックからお弁当箱が出てしまい、転がってしまったのを見て、結人は膝をついて拾った。


 すると・・・


「ん? 」


 お弁当箱から何かの薬の袋が落ちてきた。


 結人はその袋をサッとポケットに閉まった。



 拾ったお弁当箱をランチバックに入れて、紗良に渡す結人。


 シレっとした顔で紗良は受け取った。

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