お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
「お前らさっ。一度、自分の顔鏡でよーく見たらどうだ? そんなんじゃ、誰も嫁にもらてくれないぜ」
女子社員達は酷いと言わないばかりに、ちょっと俯いた。
「ばーか、そんな顔。お前らができるわけ? こんな大勢で、たった一人の人の事を悪口言ってまるで吊るし上げて。お前らやっている事って、虐めじゃん」
黙ったまま何も言えない女子社員達。
「いいか? 今度耳にしたら、お前ら全員クビにしてやるからな! 我が社の大切な社員の悪口を、大声で言って笑っている社員なんて必要ねぇから! 」
それだけ言うと、結人はその場から去って行った。
「な、なんなの? 」
「どうして副社長が、あんなに怒るわけ? 」
「交際相手のお姉さんの事だから? 」
「それにしても、副社長ってあんなキャラだった? 」
女子社員はヒソヒソと話し合っていた。
定時時刻になり。
紗良は帰り支度をしていた。
「望月さん」
カフェテリアで、紗良の悪口を言っていた女子社員達がやって来た。
「ちょっと、お話しがあるの」
「一緒に来てもらえる? 」
「話しって、何ですか? 」
「貴女の妹さんの事で話しがあるの」
何のことか分からず、紗良は女子社員達に着いて行った。
その様子を見ていた隣の女子社員が電話をとって、内線をかけた。
「あ・・・すみません。・・・今、紗良さんが女子社員達に呼び出され連れて行かれたんです・・・はい・・・」
電話を切ると、女子社員も帰り支度をした。