お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
遥香はキッチンに向かって、自分で珈琲を入れ始めた。
「おにいちゃんブラックでいい? 」
「ああ」
結人は紗良には薬の事を調べないでと言われたが、どうしても気になり遥香に頼んで調べてもらった。
だが薬の事を知っても特に紗良を問いただす気もなかった。
「はい、コーヒ」
遥香が珈琲を入れて持ってきた。
「ありがとう」
結人は珈琲を一口飲んだ。
「お兄ちゃん、葉菜さんとは上手くいってるの? 」
「あ・・・ごめん、彼女とは別れたよ」
「え? 本当? 」
「ああ・・・俺が、他に好きな人ができたから。それで」
「やっぱりそうだったの? お父さんが、お兄ちゃんが最近変わったって言ってたんだよ」
「父さんが?」
「なんか最近のお兄ちゃん、すごくキラキラしているから本気の恋をしているって言ってたよ」
「まぁ・・・そうでもないけど・・・」
「今度紹介してね」
遥は嬉しそうに言った。
春香が帰った後。
結人は葉菜に電話をかけた。
「あ、もしもし。・・・ごめん、今日は予定いっぱい? 」
(ううん、特に何もないから家でのんびりしていたの)
「そうか。ちょっと会えないか? 」
(・・・ええ、いいですよ。うちに来ます? 今日、お母さんおばあちゃんの家に行ってていないですから)
「あ、ああ。じゃあ、2時間後に行く」
(はい、待っていますね。気を付けてきて下さい)
それから着替えて、結人は葉菜の家に向かった。