お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?


 食べ終わると、結人が片づけをしてくれる。


「あ、あの・・・」

 ん? と、結人が振り向いた。


 目と目が合うと、紗良はドキッとして、わざとシレっとした顔をした。


「・・・ご馳走になったから。洗い物・・・してもいい? 」

 
 結人は嬉しそうに笑った。


「有難う。今日は、俺が無理に誘ったからいいよ。ゆっくり座ってろ」


 優しい人だなぁ・・・

 料理もできるし手際も良い人。

 大企業の息子なのに、家事もこなせるなら、世の中の女性はほっとかないだろう。

 でも・・・


 紗良はあの夜の事を思いだした。



 何で私なんか・・・

 葉菜の方が可愛いし、お見合いして葉菜と付き合っていたのにどうして私に、あんなことしたのだろう?

 本気で好きだと言ったけど。

 そんな事、ありえないし・・・。



 紗良の内側でモヤっとした気持ちが込みあがってきた。


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