お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?

「一緒に乗り越えたら、奇跡は必ず起こるって俺は信じるよ。この先の未来、ずっと紗良と一緒に歩いているって思える。だから、諦める事はないよ」


「・・・嫌じゃないの? ・・・」

「なんで? 」

「貴方の大切な時間を、無駄に使う事になるのに・・・」

「無駄な時間なんて、どうしてそう思うんだ? 紗良と一緒に過ごせる時間に、どこが無駄があるんだよ」

「・・・だって・・・私が先に死んでしまったら。・・・貴方が悲しむから・・・そんなのは、嫌だから・・・」

「先に死ぬなんて決めつけるなよ! 可能性があるなら、それに賭けてみよう。その為に、紗良は俺と出会ったんだ」


 可能性に・・・賭ける・・・。

 その言葉に、どこか光が差してきたようで。

 紗良の気持ちがスーッと軽くなったのを感じた。


「ねえ紗良。もっと長生きしたいって、思うのか? 」

「はい・・・。今まで、諦めていたけど・・・。貴方に出会ってからは、もっと・・・生きていたいと思えるようになって・・・」

「それなら、その未来だけを信じよう」


 なんで・・・こんな展開になっているの? 

 紗良は頭が真っ白になり、まるで夢を見ているような気持になった。


 だが、目の前にいる結人を見ると、とても心が温かくなって。

 この人と一緒に生きてゆきたいと思えてくる。


「・・・私。貴方より年上でも、いいの? 世間では、オバサンなんて呼ばれる年なのに」

「それ、前も言ったけど。俺、全然お前のこと年上なんて思ってないし。こんなに可愛い女、他にいないって言えるよ」

「・・・ごめんなさい。・・・ずっと、嫌な事ばかりで・・・私・・・」


 結人はそっと、紗良の頭を撫でた。


「一人で頑張りすぎてただけだろう? もういいよ。紗良が、ここにいてくれるだけで俺、すごく幸せだから」



 やっと・・・
 
 素直になれた紗良。

 重たい荷物がスーッと降りてゆくのを感じていた。



 その後は。

 そのまま、お互い抱き合ったまま朝まで眠った。


 
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