お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
「結人・・・おめでとう」
トワはニコッと笑って結人を見た。
「結人にも、心から愛する人ができたのね。嬉しい」
「あ・・・。そ、そうだけど・・・その・・・」
しどろもどろになっている結人を見て、トワはまたクスっと笑った。
「ん・・・」
紗良が目を覚ました。
ぼんやりとした視界に入るトワの姿に、紗良は驚いて目を見開いた。
「あら、おはよう。ごめんなさいね、ゆっくり寝ているところに」
紗良は誰なのか分からず、驚いた目のまま固まっていた。
「初めまして、結人の母トワです」
「お・お母さん? ・・・え? ・・・」
さらに驚いた紗良は、何も着ていない事に気付いて布団で体を隠した。
「すみません・・・こんな格好で・・・」
「あらいいのよ。でも・・・」
トワは結人を見た。
「結人、女の子を裸のまま寝かせるなんてダメよ。女性は冷えが天敵なんだから。暑くなってきたけど、朝方は寒いから。ちゃんとパジャマ着せてあげないとダメじゃない」
「あ・・・ごめん。俺が温めてたから、いいと思って」
「全く、良く言うわよ。それで、何ちゃん? 」
紗良に向かってニコッと笑うトワ。
「ごめんなさい、こんな格好で。初めまして、望月紗良と言います」
「紗良ちゃん? 可愛い名前ね。これから宜しくね、結人ったら何も話してくれないからびっくりしたけど。こんな可愛い子なら、大歓迎よ」
てっきり怒られてしまうのかと思った紗良だが、歓迎されて驚いてしまった。