お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
「あの・・・私、手伝います」
紗良はトワに声をかけた。
「いいの、いいの、紗良ちゃんはお客さんだから座ってて」
「いえ・・・手が、不自由の様ですから・・・」
「あら、解った? 私の右手義手なの」
「義手なんですか? 」
「そう。昔、事故にあってその時に。でも、家族みんなが優しくて協力してくれるから。全く不自由に感じないのよ」
「そう・・・ですか・・・」
ふと、悲し気な表情を浮かべる紗良をトワはじっと見つめた。
朝ご飯の準備ができ、結人と紗良は食べ始めた。
その間にトワが洗濯を取り出してくれていた。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
「あ、きっと北斗さんだわ」
トワが玄関に向かった。
「良かった、有難う北斗さん」
嬉しそうにトワがリビングにやって来た。
「紗良ちゃん、これお洋服。これに着替えて」
差し出されたのは大きな袋。
袋のロゴは高級ブランド店のロゴだった。
「あ、あの・・・こんなの、いいんですか? 」
「いいの、いいの。さっ、先に着替えて」
紗良の手を引いて寝室に連れてゆくトワ。