お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
「よっ、結人」
結人の父・北斗が入ってきた。
目元は結人に似ているが、全体的にふんわり優しいタイプのお父さん。
現在は宗田ホールディングの社長である。
50代後半であるが若々しく、結人といると親子より兄弟に見える。
「父さんまで来たのか? 」
「ああ、トワが可愛い女の子の服を買ってきて欲しいって電話して来たんだ。女の子って言っても大人の人って言うから、遥香に相談したんだが・・・。お前、やっぱり好きな人が居たんだな? 」
「え? 父さん気づいていたのか? 」
「まぁな。葉菜さんと交際すると言ってたが、あまり2人で会っていないようだから。それに、最近のお前は目の色が違うって思っていたからな」
「まいったなぁ、別に隠す気はなかったけど」
「いいんじゃないか? 自分に正直になることが大切だ」
「ああ・・・」
北斗と結人が話していると。
着替えを終えた紗良が出て来た。
「あ・・・」
結人は紗良に見惚れてしまい、息を呑んだ。
昨日の紗良はよれたティーシャツに履きなれたジーンス姿だった。
だが、買って来てもらった服はとても可愛いロイヤルイエローの、ふんわりしたスカートに白いブラウス。
襟元にフリルがついていて、可愛さをアピールしている。
髪の短い紗良にも、とても良く似合う色合いで、優しさを強調している。
「北斗さん、やっぱり趣味良いわね。イメージ話しただけなのに、こんなにピッタリのお洋服選んでくるんだもの」
「あ、いや・・・」
北斗も紗良を見てちょっとドキッとしているようだ。
紗良はちょっと恥ずかしいのか、少し視線を落としている。