お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
2人で歩いていると、通り過ぎる人達が振り向いて紗良を見ていた。
「綺麗な人ね。女優さんかしら? 」
「いいなぁ、綺麗な彼女がいて」
「やっぱり、イケメンには綺麗な人が一緒なのね」
「羨ましいなぁ・・・」
通り行く人達が、紗良に見惚れている。
紗良はちょっと恥ずかしいようで、視線を落としていた。
夕方になり買い物も終わって。
結人は港のカフェに紗良を連れてきた。
前に来た時は、紗良は劣等感の塊で素直になれないままだった。
でも今日はとても嬉しくて。
結人がお気に入りの場所が共感できる。
外のテーブルに座ると、綺麗な夕焼けが海面に写っているのが見えた。
「・・・綺麗な夕焼け・・・初めて見た気がする・・・」
夕焼けを見て、紗良は嬉しそうに微笑んだ。
「ねぇ紗良」
結人がそっと、紗良の手を握った。
「ずっと、一緒にいよう」
見つめる結人の眼差しが、いつも以上に優しくて。
紗良は胸がキュンと鳴った。