お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
「これから先の未来。俺が、ひょろひょろのお爺さんになっても。紗良と一緒にいたい。だから俺と・・・結婚して下さい」
握っている紗良の手をギュッと、胸に押し当てて、結人はそっと頭を下げた。
傍に座っている人がちょっと心配げな目をして振り向いた。
結人は頭を下げたまま紗良の返事を待っている。
返事をしたいのに、胸がいっぱいになり紗良は言葉がうまく出てこなかった。
頭を下げてじっと紗良の答えを待っている結人。
「・・・はい・・・」
やっとの思いで紗良は返事をした。
ほっとして、結人が顔を上げると・・・
紗良の頬に涙が伝った。
「やった! 有難う紗良」
ギュッと紗良を抱きしめる結人。
傍に座っていた人がほっとして拍手した。
それにつられて、他の人達も拍手をしてくれた。
結人はさすがにびっくりしてきょんとなった。
「おめでとう」
「よかったね」
「幸せにしてやれよ、兄ちゃん」
「彼女を泣かしたら、世の中の男達が黙ってねぇぞ」
「そうよ。あんた幸せもんだよ、最強の嫁さん掴んだねぇ」
傍にいたお客さん達が祝福してくれる。
結人はちょっと照れていたが、紗良が今ここに、自分の腕の中にることが何よりも幸せだと思った。
綺麗な夕焼けも結人と紗良を祝福してくれているようだ。