お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
5 もっと・・・もっと・・・生きていたいから
夜になって。
結人はシティーホテルを予約して、紗良と一緒にやって来た。
スートルーム。
紗良と初めて結ばれた場所。
あの時は結人が気持ちを抑えられなくて、半分は強引に紗良を連れてきてしまった。
でも今日は・・・。
ベッドに腰かけて、そっと見つめ合う結人と紗良。
紗良は可愛いピンクのキャミソール姿で、ちょっと恥ずかしそうにしている。
「どうした? 恥ずかしい? 」
「だって・・・。今まで、勢い任せだったから。こんなふうに、改まってだと・・・」
「照れている紗良も可愛いけど」
チュッと、紗良の頬にキスをして結人はそっと微笑んだ。
「今日、プロポーズした場所は。昔、父さんが母さんにプロポーズした場所なんだ」
「え? そうだったの? 」
「ああ、だからあの場所は俺の一番のお気に入り。そしてここは、父さんと母さんが初めて結ばれた場所だ」
「ここで・・・」
「初めての夜も、ここだったの覚えているか? 」
「はい・・・確か・・・。あの時は、ちょっとびっくりして覚えていない事もあって・・・」
ギュッと紗良を抱きしめる結人。
「今日は覚えていてくれる? ここからが、スタートだから」
「・・・はい・・・」
そっと結人の唇が紗良の唇に重なる・・・。
何度目かのキスなのに、今日はとても新鮮に感じる。
心が軽くなったからだろうか?