お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?



 それから・・・あっと言う間に紗良が退職する日になった。


 自宅待機にさせられていた、紗良の悪口を言っていた女子社員達は、別の部署に配属され、みんなバラバラになっていた。

 1人はアメリカ支社に転勤になり、海外なんて無理だと言って退職してしまった。


 他の部署に配属になった者も、仕事を覚えるのに必死で、今では人の事をとやかく言う時間は無くなってしまった。





 紗良の退職の日に、部署の人達から花束をもらった。

 とっても綺麗な赤いバラと白いバラ、そしてカスミソウが束ねられていた。


 贈り物として・・・何故かベビードレスが贈られて・・・。

 紗良は驚いていた。


 そ知らぬふりをしている部署の人達。

 ちょっとした悪戯心なのかもしれない。


 
 でもこの贈り物を、本当に使う日が来るためにも・・・。



 紗良は手術を受けて、もっと、もっと生きていたいと思った。









 

 真夏の太陽が輝く7月。

 梅雨が明けて夏の暑さが増してきた頃。


 紗良の手術が行われた。


 長時間の手術が行われ、心配されていたが・・・。




 手術は無事に成功した。
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