お見合い相手のお姉さん・・・好きになってもいいですか?
6 命を紡いで愛を紡ぐ
一ヶ月後。
紗良は無事に退院した。
しばらくは自宅療養。
すぐに無理してはいけないと医師からも言われている。
その為、まだ結婚式はできそうになかった。
結人と紗良の住まいは、結人が借りていたマンション。
2人で暮らしても広くてまだ余裕があるマンション。
久しぶりに帰ってきた紗良は、なんだか懐かしい気がした。
ゆっくりとソファーで寛ぐ。
ソファーに座るのも心地よくて。
本当に戻って来たんだって紗良は実感した。
ピピッと結人の携帯電話が鳴った。
「ん? あれ? 葉菜ちゃんからだ」
結人は電話に出た。
「はい・・・。ああ、大丈夫だよ無事に退院して来たよ。・・・え? あ、ああ」
結人は紗良に電話を渡した。
「葉菜ちゃんが、お姉ちゃんに代わってって」
なんだろう? と、紗良は電話に出た。
「もしもし? 葉菜? どうしたの? 」
(お姉ちゃん、退院おめでとう。よかったね、これで結人さんとずっと一緒にいられるね)
「うん・・・有難う。葉菜とお母さんが、あのお金を用意してくれから助かったの・・・」
(あ、ごめんねお姉ちゃん。もう元気になったから、カミングアウトしちゃうけど。あのお金はね、結人さんが用意してくれたんだよ)
「え? 」
紗良は驚いて結人を見た。
結人は突然見られてきょんとなった。
(正確に言えばね・・・・)