卑劣恋愛
小さな公園内には当然誰の姿もなく、道を行く人の姿もまばらだった。


白いペンキが剥げかけたベンチに座り、あたしは計画をもう1度頭の中で反復した。


本当にそんなことができるのかどうか、不安はある。


でもやらないとあたしと武はいつまで経っても通じ会うことができないままだ。


あたしからもっともっと積極的に行動していくしかない。


「随分早く来たんだな」


そんな声に顔を上げると智樹が立っていた。


スマホで時計を確認すると約束時間の5分前になっていた。


智樹はあたしの隣に座り「それで、次の計画って?」と、さっそく本題に入った。


「武を監禁しようと思うの」


あたしの言葉にさすがの智樹も目を丸くしている。


「監禁か……」


そう呟いて顎に手を当てている。
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