卑劣恋愛
「でも、夏休みに入ってからの方がいいんじゃないか? 『仲間と泊まりで遊びに行く』ってことにしておけば、武がいなくなってから事件発覚まで時間も稼げるぞ」


確かに、武の言う通りかもしれない。


事件発覚が遅れればその分あたしは武と一緒にいられると言うことだ。


考えただけで、また鼻血が流れ出して来た。


あたしはティッシュでそれを拭き取り、左右に首を振った。


「夏休みまでにまだ2週間以上あるよ。そんなに待てない」


「そっか。わかった、それなら明日千恵美に話をしてみよう」


智樹はそう言い、地図を片付け始めたのだった。
< 111 / 262 >

この作品をシェア

pagetop