卑劣恋愛
☆☆☆

今度こそあたしの計画は成功する。


武を監禁して、あたしだけのものにするんだ!!


そう考えると気持ちが落ち着かなくなって、また眠れない夜が来た。


何度かベッドの中で寝返りを打って明日からの出来事を想像する。


千恵美はきっと上手に武を山小屋へ呼んでくれるだろう。


何の疑いも持っていない武が山小屋に来たところで、あたしは外から小屋のドアを施錠するのだ。


あまり乱暴なことはしたくないから、武を拘束するつもりもなかった。


ただ、小屋の中にいてくれればそれでいい。


でも、それだけで武はあたしを頼らざるを得なくなるのだ。


毎日ご飯を運んで、生活の手助けをしている内に武だって気が付くはずだ。


自分には、あたししかいないのだと……。
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