卑劣恋愛
「ふふふっ」


早くそんな日が来てほしくて、あたしは布団の中で笑った。


さっきから何度も鼻血が流れ出してはぬぐってを繰り返している。


そんな時だった。


一階からガタンッと、椅子の倒れるような音が聞こえて来た。


ハッとして上半身を起こしてスマホで時間を確認する。


夜中の2時頃だ。


そう言えば、今日も父親は書斎にいるのだろうか。


そして届かない思いを胸に抱き、1人で苦しんでいるのだろうか。


「監禁しちゃえばいいのに」


あたしはそう呟いて、再び自分の世界に入って行ったのだった。
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