卑劣恋愛
「とにかくさ、俺は今武のことが許せないんだ。大好きなノドカに危害を加えられて、平常心でいられると思うか?」


「ちょっと、なにする気?」


あたしは慌てて止めに入ろうとする。


しかし、拘束された状態ではうまく動くことができなかった。


「ノドカはそこで見てて」


智樹はそう言った次の瞬間、武の顔面を思いっきり踏みつけていたのだ。


武は「ぐっ」とくぐもった悲鳴を上げる。


「ちょっと!!」


武の綺麗な顔なら鼻血が流れ出した。


武はそれをぬぐうこともできない。


智樹は2度3度と繰り返し武の顔面を踏みつける。


やがてボキッと嫌な音が小屋の中に響いていた。


「あ~あ、鼻の骨が折れたな」


智樹がしゃがみ込んで武の鼻を引っ張った。


武は痛みにもがき、暴れている。
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