卑劣恋愛
☆☆☆

少しだけ眠っていたようだ。


ガサガサッと外からの物音がして、あたしは目を覚ましていた。


動物が歩いている音だろうか?


ここは大きな山だから、野生動物がいてもおかしくなかった。


しかし、音は定期的に一定のリズムで聞こえて来る。


それはまるで人の足音のように感じられたため、あたしは急いで窓へ近づいた。


膝立ちをしてどうにか窓の外を確認する。


外には暗闇が広がっているだけでなにも見えなかった。


やっぱり動物かな……?


そう思った時だった、暗闇の中にライトの光が見えたのだ。


それは山の奥へ奥へと進んで行く。


「人だ!」


ハッと息を飲んで呟く。


こんな時間に誰だろう。


分からないけど、これで助かる……!
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