卑劣恋愛
あたしはその場に座り込んで大きく深呼吸をした。


心臓は壊れてしまったかのように早鐘を打っている。


なんで?


どうして?


そんな疑問が浮かんでは消えて行く。


ゴミ袋から出ていた顔にも、あたしは見覚えがあったのだ。


それは近所のお姉さん……。


「どうして殺しちゃったの、お父さん……」


あたしは、死体を担いでいた人物を思い出してそう呟いたのだった。
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