卑劣恋愛
☆☆☆

鼻血を止めてからA組の教室へ入ると、窓際の席に座っている真由子の姿が目に入った。


昨日あたしが助言してあげたおかげか、今日は元気そうに友達とおしゃべりをしている。


「真由子、おはよう」


声をかけてみると、真由子は笑顔で「おはよう」と、返してくれた。


昨日はちょっと奇妙そうな顔をあたしへ向けていたけれど、今日はそんな気配はなかった。


「あのさノドカ……」


「なに?」


「昨日ノドカが言っていたことは正しいとは言わないけど、でもまぁ、間違ってもないかもね」


なんだか煮え切らない言い方が気になる。


「どういう意味?」


「少しは積極的になっても、いいかもって意味」


真由子はそう言って視線を机に落とした。


その頬はほんのり赤色に染まっている。


真由子の言葉にあたしは一瞬目を見開き、それから「好きな人と上手く行ったの!?」と、大声で質問していた。

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