卑劣恋愛
身を乗り出して聞くあたしに真由子は慌てて人差し指を口に当てた。


「声、大きいって！」


確かに、あたしのさっきの一言はクラス中に聞こえていたみたいで、みんなの視線を感じる。


でも、そんなことどうでも良かった。


あたしの助言で真由子の恋が上手く行ったかどうかが、肝心なところだ。


「で、どうだったの？」


あたしは一応声のトーンを落として聞き返した。


真由子は顔を真っ赤に染めて「まぁまぁ……かな」と、呟く。


ハッキリとしない返事にだんだんイライラしてきた。


照れているのはわかるけれど、こっちとしては自分のやり方が正しいかどうか知りたかった。


だって、武ってばいつまで経ってもあたしと2人で会ってくれないのだ。


毎日迎えに行って一緒に登校してきているのだから、そろそろ慣れて欲しい。
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