卑劣恋愛
智樹の長いまつ毛が震えて、ゆっくりと目が開く。


良かった、死んでいないようだ。


ホッとしていると智樹があたしをみて一瞬怯えた表情になった。


千恵美にどんなことをされていたのか知らないが、クローゼットの中にはあちこち血がついている。


「助けに来たよ」


あたしはそう言って智樹の拘束を解いたのだった。
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