卑劣恋愛
「いいね。でも、問題はどこに拘束しておくかだけど」


「それなら……あたしの家はどう?」


あたしはゴクリと唾を飲み込んで行った。


智樹の表情が一瞬変化する。


傷ついているような、そんな顔に見えた。


「ノドカの家……?」


智樹の声は震えている。


しかし、あたしは構わず頷いた。


「そうだよ。武が逃げ出さないように見張りやすいしさ」


返事をしながら、鼻血が流れて来るのを感じた。


武があたしの家に来る。


想像するだけでしばらく鼻血が止まらなくなった。


「俺の家は?」


「は?」


「俺の家に拘束しておいても、同じことだろう?」
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