卑劣恋愛
☆☆☆
それからあたしと智樹の2人は総合体育館に来ていた。
広い駐車場には10代くらいの車が停まっていて、中からシューズがこすれる音が聞こえてきている。
建物の周りは生垣で囲まれているため、ひと目につきにくい条件になっていた。
体育館の入り口横には公衆電話が設置されているので、これも使えそうだ。
「武が来たとして、その後どうするかだな」
体育館の周辺をグルッと調べてから智樹が言った。
「これを使って」
あたしは持参してきた小型ナイフを智樹に手渡して言った。
「ナイフ……?」
「本当に切りつけたりしないでよ? 脅して、あたしの家まで来てもらうだけなんだから」
あたしは念を押すように智樹へ言った。
「わかってるよ。でも、思わず刺したりしないかなと思って」
「なにそれ」
「俺にとって武はライバルだ。いない方がいいに決まってるだろ」
それからあたしと智樹の2人は総合体育館に来ていた。
広い駐車場には10代くらいの車が停まっていて、中からシューズがこすれる音が聞こえてきている。
建物の周りは生垣で囲まれているため、ひと目につきにくい条件になっていた。
体育館の入り口横には公衆電話が設置されているので、これも使えそうだ。
「武が来たとして、その後どうするかだな」
体育館の周辺をグルッと調べてから智樹が言った。
「これを使って」
あたしは持参してきた小型ナイフを智樹に手渡して言った。
「ナイフ……?」
「本当に切りつけたりしないでよ? 脅して、あたしの家まで来てもらうだけなんだから」
あたしは念を押すように智樹へ言った。
「わかってるよ。でも、思わず刺したりしないかなと思って」
「なにそれ」
「俺にとって武はライバルだ。いない方がいいに決まってるだろ」