卑劣恋愛
☆☆☆
武の後ろに智樹がピッタリとくっついて歩き、背中にナイフを押し当てていた。
少しでも変な動きをすると、ナイフの刃が武の背中に突き刺さる。
そのため、武は大人しくあたしの家までついて来てくれた。
幸いなことに母親は出かけているらしく、家には誰もいなかった。
「丁度いいタイミングだったみたいだね」
あたしは武の靴を持って自分の部屋に向かった。
人が隠れられる場所と言えば、クローゼットの中しかない。
上段と下段に別れていて、下段には透明ケースに入った季節外れの衣類が置かれている。
あたしは透明ケースをすべて引っ張り出すと、床に毛布を引いた。
「ちょっと窮屈だけど、ここで我慢しててね?」
振り返ると、智樹によって手足を縛られた武が転がっていた。
なにか言いたそうにあたしを睨み付けているけれど、その口にも猿轡がかまされている。
あたしと智樹は2人で武を抱えるようにしてクローゼットの中へ押し込めた。
立ち上がることはできないけれど、体を伸ばすことはできる。
棚の中で拘束されていた智樹より、少しはマシな状態だ。
武の後ろに智樹がピッタリとくっついて歩き、背中にナイフを押し当てていた。
少しでも変な動きをすると、ナイフの刃が武の背中に突き刺さる。
そのため、武は大人しくあたしの家までついて来てくれた。
幸いなことに母親は出かけているらしく、家には誰もいなかった。
「丁度いいタイミングだったみたいだね」
あたしは武の靴を持って自分の部屋に向かった。
人が隠れられる場所と言えば、クローゼットの中しかない。
上段と下段に別れていて、下段には透明ケースに入った季節外れの衣類が置かれている。
あたしは透明ケースをすべて引っ張り出すと、床に毛布を引いた。
「ちょっと窮屈だけど、ここで我慢しててね?」
振り返ると、智樹によって手足を縛られた武が転がっていた。
なにか言いたそうにあたしを睨み付けているけれど、その口にも猿轡がかまされている。
あたしと智樹は2人で武を抱えるようにしてクローゼットの中へ押し込めた。
立ち上がることはできないけれど、体を伸ばすことはできる。
棚の中で拘束されていた智樹より、少しはマシな状態だ。