卑劣恋愛
千恵美は他のクラスメートと一緒に会話をしていて、楽しそうに笑っている。


偶然映りこんだだけ?


普段ならきっとそう考えるだろう。


だけど、今日のことを考えると嫌な胸騒ぎがした。


あたしはすぐに2枚目、3枚目と武の映る写真を確認していく。


友人と談笑している武。


トレイから出て来たところの武。


そのどれもに、千恵美の姿が映っているのだ。


「なによこれ!」


自然と体が震えて、フマホを取りおとしてしまいそうになった。


どんな写真にも、必ずどこかに千恵美の姿が映っている。


それはまるで、武を追いかけているようにも見えた。


「まさか、武のストーカー?」


ハッとして呟いた。


それならあり得る。


ストーカーなら、彼女であるあたしの目を盗んで武に接近することもあるだろう。

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