卑劣恋愛
「あのさ、この前助言してくれたの、覚えてる?」


廊下に出てからそう質問されて、あたしは一瞬記憶を巡らせた。


そういえば、真由子の恋愛相談に乗ったんだっけ。


「うん。その後なにか進展があった?」


「うん。それを、報告しようと思って……」


そう言う真由子の顔は耳まで真っ赤で、どんな報告がしたいのかすぐに察しがついた。


「もしかして、告白した?」


質問すると、真由子は左右に首をふる。


「それが……あっちから……」


消え入りそうな声で説明する真由子。


あたしは目を丸くして真由子を見つめた。


「そっか、相手から告白してきたんだぁ」


「ノドカ、ちょっと声大きいよ!」
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