卑劣恋愛
「とにかくさ、好きなら好きでいいと思うよ? 難しいことなんて考えなくても」
あたしはそう言って席を立った。


もうすぐ次の授業が始まってしまう。


「真由子は頭がいいから頭の中だけで恋愛をして、結末まで想像しちゃうんだろうけど、実際はなにも動いてないんじゃない?」


あたしの言葉に真由子がハッとしたように顔を上げた。


図星だったようだ。


頭でっかちになっていると思っていた。


「行動しないと、高校生活は残り少しだよ?」


あたしはそう言い、自分の席へと戻って行ったのだった。
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