卑劣恋愛
☆☆☆

自宅へ戻り、今日はサッカー部の観戦ができなかったことを武にメッセージで謝ったあと、あたしはゴロンッとベッドに横になった。


仰向けになって放課後の出来事を思い出すと、どんどん顔がニヤけてくる。


智樹があれだけ行動的な人だとは思わなかった。


最初はあたしと武の関係を疑ってきたから邪魔者だと思っていたけれど、結構利用できるかもしれない。


そう考えると、自然と鼻歌を歌っていた。


なにはともあれ、今日あんなことがあったのだから、明日千恵美は学校へくることができないだろう。


智樹とは同じクラスだし、顔を合わせたくない決まっている。


「もしかしたら、自殺しちゃったりしてねぇ?」


鼻歌を歌いながら、あたしは口ずさむように呟く。


もしそうなったとしたら本当に最高だ。


昨日の晩は父親の奇妙な行動を見てしまったせいで、寝不足になったけれど、今日はゆっくりと眠れそうだった。

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