卑劣恋愛
あたしは武からの返事を待ちながら、鼻歌を歌いつつスマホの写真を眺めた。


フォルダの中には沢山の武の写真が収められている。


どれもこれも、隠し撮りをしたものばかりだ。


他のファンの子が決して見られないような顔でも、あたしにかかれば簡単に写真に収める事ができた。


今日撮影した一枚、授業中居眠りをしているものだった。


武とあたしは同じA組のため、こういうレアな姿も撮影することができる。


あたしはスナホ画面を顔に近づけて、画面を下から上へと舐め上げた。


そして、ニタリと口角を上げて笑う。


いつか、武のすべてがあたしのものになりますように……。


そう考えていた時、武からメッセージの返事が来た。


《武:ありがとう》


短く、そっけない内容。


しかし、これはいつものことだった。

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