真実を知った時、僕は1%の奇跡を願った


「と、とにかくこっち!」


そう言って男の子は
私の手をぎゅっと握って走り出した。


ついた先は近くにあった誰もいない
小さな公園。


隣同士にベンチに座ったと思ったら


「ちょっと待ってろよ!」


「え…?」


そう言ってハンカチを私に渡して
どこかへ行ってしまった男の子。


そこには"佐野響輝"と名前が入ってた。


「ひびき…くん。」


ポツリと名前をつぶやくと


「呼んだ?」


と、どこかへ行っていた
響輝君が戻ってきた。


「これ、あげる。お守り。」


その手には


「…四つ葉のクローバー?」


「そ!俺こーゆーの見つけんの
得意なんだよね~。」


ニカっと得意げに笑う顔に
なんだか心が落ち着いた。


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