真実を知った時、僕は1%の奇跡を願った


「なんで泣いてんのか分かんないけど
それ持ってたら大丈夫だから!」


「…ありがとう。」




それから30分くらい話をしていると


「あ!やばいもう帰らなきゃ!!
ごめん、怒られるから帰る!」


「え!ちょ!」


「ごめんまた!!」


そう言って慌ただしく
響輝君は走り去って行った。


「あ…ハンカチ…。」


返すの忘れちゃった…。


でも、毎日私の事見かけてたなら
また会えるよね…。


明日にでも返そう…。


そう思いながらハンカチを握りしめ
貰った四葉を眺めた。


「お守り…。」


私は大切にそれをポケットにしまって
握ってくれた手が暖かかったことを
思い出しながら家に帰った。


***


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