真実を知った時、僕は1%の奇跡を願った
「ちょっと響輝聞いてる~?」
「…んぁ!?わりぃ聞いてなかったわ。」
突然肩を叩いてきたのは
同じクラスのマリナ。
見た目は結構派手で、一部の男子に人気がある。
「ちょっと~!
今日の放課後遊びに行こうって言ったの!」
「あ~、それか~、俺パス。」
えー、ちょっと何でよ~!なんて
隣で喋ってるマリナの声はもう俺には届いていない。
隣にいるマリナより
俺の意識は立花美波に集中しているから。
さっきのように紙パックの
イチゴミルクを加えながら
ボーっと立花を見つめていると
後ろから聞きなれた声で
「響輝行かねーなら俺もパス~。」
なんて言いながら俺の首に腕を回してきたのは
クラスでも仲のいいアオト。
「…っごほ!アオトお前
後ろから首掴むなっつの!!むせたわ!」
「だーってまたボーっとしてるからさ。」
ニヤついた顔で、すべてお見通しですよ
とでも言いたそうなアオトは
俺が立花に片想いをしていることを知ってる人物の
数少ない一人。