これが恋だと言うのならば
だけど、柊君は、なんか違う。


別に安心する訳じゃない。


どっちかと言うと、脆そうで、儚そうで、ぎゅっと手を握りしめていないと、すぐに消えてしまいそうな感じ。


「そーだよねー。今までとはえらくタイプ違うじゃん」


「…好き、とか、そーゆーのかは分からない」


「それだけ考えてて〜?」


ニヤニヤと笑う麻衣


「…気になってる、だけだもん。」


「気になってるって、好きじゃん」


「…話戻るけど!あの日、急に好きって言われて…。柊君、モテるし、どうして、たいして話したこともない私なんだろうって思った。」


「で、断ったんだっけ?」


「そう。その後から、柊君とよく一緒にいるようになって…」


「一緒にいるようになったって言うよりはまとわりつかれてたって感じ?」


「ま、まぁ…。最初は、ちょっと嫌だったんだけど…だんだん、なんか、当たり前になっちゃってて、いつ来るかな、とか、考えてて…」


「ふぅーん」


「だけど、あの日、柊君に最初私とばっかりいるけど友達とかいいの?って、聞いたら、迷惑?って聞かれて…」


「それで?」


「そんなことないよって言ったら、迷惑ならはっきり言った方がいいよ。…って」
< 16 / 66 >

この作品をシェア

pagetop