これが恋だと言うのならば
「あ、俺、先生呼んでくるよ」


「あ、いいよ!私もう大丈夫だから!もう戻ろ!」


また、無理しているんじゃないか?


「ほんとに?」


「ほんと!でも今日はもう走れないから柊君と一緒に見学するけど!」


「見学するならいいか。じゃあ戻ろう」


「うん!あ、柊君は明日なに出るの?」


「騎馬戦」


「え、それだけ!?」


「うん。そーだけど。前園さんは?」


「私はね、借人競走と、学級リレーと、棒引きと、二人三脚でるよ!」


「わ、前園さんも晴真と同じタイプか…」


「え?同じタイプ?」


「や、体育祭に燃えるタイプなんだなー、と思って」


「うーん、そーだねー!柊君は燃えない人?」


「うん、極力出たくないね。」


「ふふふ、柊君そーゆータイプかぁ〜」


「ん?うん、まぁ。」


「柊君、じゃあ応援来てよ!」


「えー…」


「…だめ?」


上目遣いで見てくる彼女になんだか晴真と近いものを感じて、断ることが出来ず


「…わかった、1個だけ…。」


なんて返事をしてしまった。


「やった!」


だけど、嬉しそうにニコニコと笑う彼女を見ていたらそれでもいいか、と思えた。
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