これが恋だと言うのならば
『うん!』


「じゃあ、それだけ。またね。」


『うん、また明日』


プツッと切れた電話に少々の寂しさを感じてしまったのは、気のせいだと思い込むことにした。


だけど、1人でこの家にいてなんだか気が楽だと思えるのは、初めてかもしれなかった。


…彼女の、声を聞いたから?


そんなわけ、ないか。





#


次の日から、俺はしつこいくらいに朝陽に絡みに行った。


「朝陽」


「朝陽、お昼ご飯食べよ」


「朝陽、一緒に帰ろう」


「朝陽」


「朝陽」


「朝陽」












「…柊君、最近、私とばっかりいない?」


「うん、そうかもね。」


「いいの?友達…とか。」


「うーんまぁ。俺が朝陽といたくているんだし。」


「うーん、」


「あー、迷惑…だった?」


「ち、ちがっ…」



「…迷惑なら、はっきり言った方がいいよ。」


そんなだから、こんな風に狙われるんだよ。


「べ、別に…迷惑なわけじゃ、無い…よ…?」


「でも、別に付き合う気はないでしょ?俺と。」


「…う、うん。まだ、やっぱり、考えられない…」


「ほらね。」
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