これが恋だと言うのならば
「…?」
「無自覚って、いちばん厄介だよね。」
…なんて、言ってもわかんないか。
こんなこと言って嫌われたに違いない。
ゲームオーバーだ。
もう、彼女に近づくのはやめよう。
…でもなぁ。
「柊君…?」
「じゃあね、前園さん」
「…」
#
あの日を境に彼女とは口を聞かなくなった。
そりゃそうだろう。
前から話すような関係ではなかったし。
あの関係も、俺が話しかけに行っていたから成り立っていたようなものだ。
…少し、なにか物足りない、なんて。
きっと…いや、絶対気のせいだ。
だけど、一緒にいた時間なんてほんの少しだったけど…、何故だろう。
彼女と一緒にいるのが、当たり前になりつつあったのは。
…彼女との当たり前だけは、崩れて行かないような気がしたのは…。
「冬夜〜」
俺がよく分からないことに思いを馳せていると、何も知らないであろう晴真が呑気そうに話しかけてきた。
「何」
…俺の晴真に対する態度は冷たい。
ように見えるだろうけど、この冷たさは、気を使った冷たさだから。
なんて、ね。
「無自覚って、いちばん厄介だよね。」
…なんて、言ってもわかんないか。
こんなこと言って嫌われたに違いない。
ゲームオーバーだ。
もう、彼女に近づくのはやめよう。
…でもなぁ。
「柊君…?」
「じゃあね、前園さん」
「…」
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あの日を境に彼女とは口を聞かなくなった。
そりゃそうだろう。
前から話すような関係ではなかったし。
あの関係も、俺が話しかけに行っていたから成り立っていたようなものだ。
…少し、なにか物足りない、なんて。
きっと…いや、絶対気のせいだ。
だけど、一緒にいた時間なんてほんの少しだったけど…、何故だろう。
彼女と一緒にいるのが、当たり前になりつつあったのは。
…彼女との当たり前だけは、崩れて行かないような気がしたのは…。
「冬夜〜」
俺がよく分からないことに思いを馳せていると、何も知らないであろう晴真が呑気そうに話しかけてきた。
「何」
…俺の晴真に対する態度は冷たい。
ように見えるだろうけど、この冷たさは、気を使った冷たさだから。
なんて、ね。