ネト恋
慌てて止めたが、周りの視線が痛い。
うるさくしてごめんなさいと思いつつもそっと画面を覗いた。
『1年半年記念日』
鳴ったのはアラーム音で、スケジュールに設定されていた予定だった。
「もうそんなに経つのか…」
ぽつりとため息混じりに呟く。
しんどい。考えたくない。
スマホの画面を落とし、次の駅でまだふわふわしながらもゆっくりと降りた。
改札まで歩きながらも足取りは重い。
それは多分、あのアラームのせい。
どうしようかな、どうなんだろうな…凄く悩みながらもスマホの画面を付けては消して、付けては消してを繰り返しながら何故か泣きそうになっていた。
こんなことで泣く段階はとっくに過ぎたというのに、まだこんなにも辛い気持ちになるなんて。
家路につき、徐ろに空を見上げると星がすごく綺麗で。少しだけ気持ちが落ち着いたと感じたあたしは、そのままスマホからLINEを開き、彼に電話をかけた。
「………」
緊張する。声を聞くのは何ヶ月ぶりだろう。