とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
次の日の朝、昨日食べ忘れたロコモコ弁当にアボカドたっぷりの、昨日の夜何も食べなかったせいでお腹が空いたのかエビの入ったクリームスープ、デザートにラスベリーと苺の入ったヨーグルトが用意されていた。

朝からこんなに食べられないのに、鼻歌交じりでアボカドの種をスプーンでくりぬく彼に何も言えなかった。

一矢くんの方が朝は早いのに。

今日は無理しないでって、私には朝食ができるまでベットで寝かせてくれていた。

ネクタイが汚れないように胸ポケットに入れて、サラダを取り分ける一矢くんは朝から楽しそうなのが分かる。

「華怜ってさ」

「ほい」

見とれていたなんて言えないので、慌ててアボカドを口の中に放り込んだ。

「決まった休みの日ってあるの?」

「うちは日曜祝日も出勤だけど、予約の空きとか見て週に二日ちゃんと休みがあるよ」

「そっか。俺も日曜は確実に休めるんだけど、平日は休めないなあ。でもなるべく休みを合わせたいしなあ」

 私の方が結構余裕があると思う。残業とか、イベント前の忙しい時期とかそんなにないし。

でも毎週土日に休めるわけは、流石にない。

「休みがあったら、一緒に買いに行きたいものがあるんだけど」
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