とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
*
ポツポツと地面に落ちてくる雨がアスファルトに沁みていく。
じわじわと濡らして、一面の色が濃くなった。
ネイルサロンの看板を店内に入れて、外を見る。
「雷、鳴らないですよね?」
レジで会計していた店長の白鳥さんが、んん?と此方を向いた。
白鳥さんはこのネイルサロン『LOFTY』のオーナー兼ネイリストで、元モデルの長身美人。十年以上常連のお客様もいるけど、年齢不詳。
二階のヘアサロン『NOBLE』のオーナーが旦那さまで、共同経営している。
そんなオーナーと私と、女性スタッフ三人の計五人で、ネイルとネイルスクールをしている。一応、雑誌に載るぐらい技術力も人気もあると自負している自慢のサロンだ。
「貴方、雷が駄目だったよね。車で送っていくから、着替えて待ってなさい」
「いいんですか」
「もちろん。嫌な時期になってきたね。梅雨に入ったら、雨ばっかで雷の様子を窺わなきゃいけないんだから」
白鳥さんはクスクスと笑いながら、私の不安な気持ちを和らげようとしてくれた。
ポツポツと地面に落ちてくる雨がアスファルトに沁みていく。
じわじわと濡らして、一面の色が濃くなった。
ネイルサロンの看板を店内に入れて、外を見る。
「雷、鳴らないですよね?」
レジで会計していた店長の白鳥さんが、んん?と此方を向いた。
白鳥さんはこのネイルサロン『LOFTY』のオーナー兼ネイリストで、元モデルの長身美人。十年以上常連のお客様もいるけど、年齢不詳。
二階のヘアサロン『NOBLE』のオーナーが旦那さまで、共同経営している。
そんなオーナーと私と、女性スタッフ三人の計五人で、ネイルとネイルスクールをしている。一応、雑誌に載るぐらい技術力も人気もあると自負している自慢のサロンだ。
「貴方、雷が駄目だったよね。車で送っていくから、着替えて待ってなさい」
「いいんですか」
「もちろん。嫌な時期になってきたね。梅雨に入ったら、雨ばっかで雷の様子を窺わなきゃいけないんだから」
白鳥さんはクスクスと笑いながら、私の不安な気持ちを和らげようとしてくれた。