キミの嘘
縁はあの日、日付が変わる頃、帰ってきた。
わたしは疲れていたこともあってベットに潜り込んでいた。
考がまとまらなくて
とにかく考えないようにしながら布団に丸まっていた。
長い長い・・夜だった。
★
翌日の月曜日。
私はいつもより早く起きて
一人で登校した。
縁と朝から顔を合わせて二人で登校なんてできなかった。
縁の顔を見れなかった。
学校の校舎ですれ違った時も話しかけようとしていたみたいだったけど、わたしは避けていた。
翌日も・・・その翌日も・・・
わたしは一人で朝登校するようになった。
縁の生活時間と、明らかに異なるようにずらして過ごしていた。
放課後もみきちゃんの家に門限ぎりぎりまで過ごして、すぐに部屋に閉じこもる。
朝も学校の当番があるから早く登校するとごまかして、放課後も
みきちゃんの家で勉強しているといえば遅くなっても何もいわれなかった・・。
気が付けば縁と言葉を交わさなくなって1週間になろうかとしていた。
お母さんもお父さんも、私の態度に何かあったのかと思っていたようだけど
触れないでいてくれた。
縁は私がいきなり朝、別々に登校するようになってびっくりしていたようだけど
お母さんから学校に早く行く用事があるのだと聞いたのか
何も言われなかった。
縁にしたら
わたしが朝一緒にいてもいなくても・・・かわらない。
縁のなかで私という存在は重要事項ではないのだから
そんなことは当然であたりまえでわかっていたこと・・。
今まではたまたま一緒に行っていただけ。
となりに縁がいない朝の時間にも慣れていけば、きっと一人でも平気。
★
「おはよう」
「おはよう 橘くん」
一緒に映画を観に行った翌日、橘くんが駅で待っていた。
橘くんは私の気もちを聞くためにわざわざ来たのかなと思った。
だけど、何も聞かれることはなくて
ただただ一緒に登校しただけ・・だった。
その日だけでなく、ずっと朝も最寄駅で、橘くんが、待っててくれるようになった。
「おはよう、橘くん」
「おはよう。」
橘くんはあの日のことは、なにもなかったように接してくれていた。
そんな優しさに甘えているのもわかっていた。
橘君のおうちは私の家と反対方向。
朝早く、わざわざここまで来てくれている。
橘君は自分が好きでしていることだからと、朝早くから最寄り駅で待っててくれている。
縁に聞けばいいことなのに
聞くのが怖い。
それに聞いてどうするの・・・
隣にいる橘君の顔をみながら
いっそうのこと、橘君を好きになれたら・・
付き合えたらなにかかわるのかな。
橘君と肩を並べて改札口に向かおうとした時
ガシッと肩を掴まれた。
「杏、お前なんで避けてるんだよ?」
走ってきたのか
息を切らせた制服姿の縁が立っていた。
家を出るときは
まだ縁は寝ていたはず・・。
縁は怒っていた。
口調から怒っているのはわかっていた。
「‥避けてない。」
「ここ一週間、避けてる、家でも学校でも・・・俺がわからないとでもおもってた?」
なんで///
なんで縁がいらいらしてるの?
なんで縁が気にしてるの?
関係ないじゃない・・・
私は縁の妹なんだから。
そんなつらそうな顔しないでよ・・
勘違いしちゃうじゃない・・。
「あさ、係の仕事があるから早くいっているだけ・・」
「夜だってほとんどいないじゃないか。なんで嘘つくんだよ」
「ウソ?・・縁だってついてるじゃない」
「.....」
「用事があるからっていったのに・・・。その用事が河崎先輩とデートだったじゃない?」
「杏、なんで」
「・・・・なにもないって・・いっていたのに」
河崎先輩とは何もないって・言っていたのに。
涙で視界がゆがみそうになる。
・・・・泣かないようにしなくちゃ。
縁が気まずそうな顔をしたのも
何かありそうな顔をしたのも
見逃さなかった・・・
しばらくの沈黙のあと私と縁の間に割り込むように橘くんが立ちはだかりこう言った・
「高来先輩・・高来さん・・・杏とぼくたち付き合っているんです」
「・・・!!」
縁の顔が驚愕していた。
「たちばな・くん」
「もう、杏のこと心配しなくても大丈夫ですよ。高来先輩は河崎先輩と仲良くしてください。先週もカフェでデートしていたのを見ましたよ」
「・・えっ?」
縁が驚く。
「噂は本当だったんですね。あのとき、杏は僕と一緒にいたんですよ。お互いデートだったんですね。」
「2人で・・いたのか」
縁が私の顔を見る。
「杏のお兄さんにもお伝えしたかったのでよかったです。」
それでは・・・
と橘くんが私の手を握り歩きだした・
橘くんはごめんねとあやまり
「ぼくたち・・付き合っていることでいいかな」
叶わぬ恋なら
誰かを好きになるほうがいいのかも
橘君の真剣なまなざしに私はうなずくことしかできなかった・・・。
体育大会が終わっていつもの学校生活にもどると
私と橘君が付き合いはじめたという噂が学年中に広まった。
体育大会の翌日に、学校に手をつないで私と橘くんは登校した。
その姿をみた人たちが私たちがつきあっているという噂を広めて
いつの間にか、大騒ぎされた。
でも・・・
なんだか複雑な気持ちだった。
橘君は人気もあるから
そういう話題はすぐに広まるんだろうなぁ・・。
彼女として見られること、噂されることはわかっていたのに・・・
どこかで縁のことを気にしている自分がいた
毎朝、橘くんと登校しているのに
それでもさみしいと感じてしまう自分にあきれてしまう。
何してるんだろう・・わたしは。
わたしは疲れていたこともあってベットに潜り込んでいた。
考がまとまらなくて
とにかく考えないようにしながら布団に丸まっていた。
長い長い・・夜だった。
★
翌日の月曜日。
私はいつもより早く起きて
一人で登校した。
縁と朝から顔を合わせて二人で登校なんてできなかった。
縁の顔を見れなかった。
学校の校舎ですれ違った時も話しかけようとしていたみたいだったけど、わたしは避けていた。
翌日も・・・その翌日も・・・
わたしは一人で朝登校するようになった。
縁の生活時間と、明らかに異なるようにずらして過ごしていた。
放課後もみきちゃんの家に門限ぎりぎりまで過ごして、すぐに部屋に閉じこもる。
朝も学校の当番があるから早く登校するとごまかして、放課後も
みきちゃんの家で勉強しているといえば遅くなっても何もいわれなかった・・。
気が付けば縁と言葉を交わさなくなって1週間になろうかとしていた。
お母さんもお父さんも、私の態度に何かあったのかと思っていたようだけど
触れないでいてくれた。
縁は私がいきなり朝、別々に登校するようになってびっくりしていたようだけど
お母さんから学校に早く行く用事があるのだと聞いたのか
何も言われなかった。
縁にしたら
わたしが朝一緒にいてもいなくても・・・かわらない。
縁のなかで私という存在は重要事項ではないのだから
そんなことは当然であたりまえでわかっていたこと・・。
今まではたまたま一緒に行っていただけ。
となりに縁がいない朝の時間にも慣れていけば、きっと一人でも平気。
★
「おはよう」
「おはよう 橘くん」
一緒に映画を観に行った翌日、橘くんが駅で待っていた。
橘くんは私の気もちを聞くためにわざわざ来たのかなと思った。
だけど、何も聞かれることはなくて
ただただ一緒に登校しただけ・・だった。
その日だけでなく、ずっと朝も最寄駅で、橘くんが、待っててくれるようになった。
「おはよう、橘くん」
「おはよう。」
橘くんはあの日のことは、なにもなかったように接してくれていた。
そんな優しさに甘えているのもわかっていた。
橘君のおうちは私の家と反対方向。
朝早く、わざわざここまで来てくれている。
橘君は自分が好きでしていることだからと、朝早くから最寄り駅で待っててくれている。
縁に聞けばいいことなのに
聞くのが怖い。
それに聞いてどうするの・・・
隣にいる橘君の顔をみながら
いっそうのこと、橘君を好きになれたら・・
付き合えたらなにかかわるのかな。
橘君と肩を並べて改札口に向かおうとした時
ガシッと肩を掴まれた。
「杏、お前なんで避けてるんだよ?」
走ってきたのか
息を切らせた制服姿の縁が立っていた。
家を出るときは
まだ縁は寝ていたはず・・。
縁は怒っていた。
口調から怒っているのはわかっていた。
「‥避けてない。」
「ここ一週間、避けてる、家でも学校でも・・・俺がわからないとでもおもってた?」
なんで///
なんで縁がいらいらしてるの?
なんで縁が気にしてるの?
関係ないじゃない・・・
私は縁の妹なんだから。
そんなつらそうな顔しないでよ・・
勘違いしちゃうじゃない・・。
「あさ、係の仕事があるから早くいっているだけ・・」
「夜だってほとんどいないじゃないか。なんで嘘つくんだよ」
「ウソ?・・縁だってついてるじゃない」
「.....」
「用事があるからっていったのに・・・。その用事が河崎先輩とデートだったじゃない?」
「杏、なんで」
「・・・・なにもないって・・いっていたのに」
河崎先輩とは何もないって・言っていたのに。
涙で視界がゆがみそうになる。
・・・・泣かないようにしなくちゃ。
縁が気まずそうな顔をしたのも
何かありそうな顔をしたのも
見逃さなかった・・・
しばらくの沈黙のあと私と縁の間に割り込むように橘くんが立ちはだかりこう言った・
「高来先輩・・高来さん・・・杏とぼくたち付き合っているんです」
「・・・!!」
縁の顔が驚愕していた。
「たちばな・くん」
「もう、杏のこと心配しなくても大丈夫ですよ。高来先輩は河崎先輩と仲良くしてください。先週もカフェでデートしていたのを見ましたよ」
「・・えっ?」
縁が驚く。
「噂は本当だったんですね。あのとき、杏は僕と一緒にいたんですよ。お互いデートだったんですね。」
「2人で・・いたのか」
縁が私の顔を見る。
「杏のお兄さんにもお伝えしたかったのでよかったです。」
それでは・・・
と橘くんが私の手を握り歩きだした・
橘くんはごめんねとあやまり
「ぼくたち・・付き合っていることでいいかな」
叶わぬ恋なら
誰かを好きになるほうがいいのかも
橘君の真剣なまなざしに私はうなずくことしかできなかった・・・。
体育大会が終わっていつもの学校生活にもどると
私と橘君が付き合いはじめたという噂が学年中に広まった。
体育大会の翌日に、学校に手をつないで私と橘くんは登校した。
その姿をみた人たちが私たちがつきあっているという噂を広めて
いつの間にか、大騒ぎされた。
でも・・・
なんだか複雑な気持ちだった。
橘君は人気もあるから
そういう話題はすぐに広まるんだろうなぁ・・。
彼女として見られること、噂されることはわかっていたのに・・・
どこかで縁のことを気にしている自分がいた
毎朝、橘くんと登校しているのに
それでもさみしいと感じてしまう自分にあきれてしまう。
何してるんだろう・・わたしは。