眠姫にキスを。
おまけ。瑞希side。
数年後。
ガチャっ。
「あ、パパおかえりなさい」
「ただいま。」
俺は先輩……司と大学を卒業してすぐ結婚して、1人の息子がいる。
名前は新。
今年で6歳。
小さい頃の俺にそっくり。
俺らの愛の結晶。
「ねぇパパ、ママが起きないの。」
「ママはいつから寝てるの?」
「夕方から。お腹空いたからさっきから起こしてるのに全然起きないの。だからね、パパがママにキスして起こして?」
新に手を引っ張られながら聞いていたけれど一瞬耳を疑った。
「……え?何で?」
「だって、パパがいつもキスしたらママ起きるでしょ?だからキスしたのにママ全然起きないだよ!だから今すぐキスして起こしてよぉ!」
…………子供って怖っ。
見てないようでそういうの見てるんだな。
まさか新の初めてのキスが司になるとは。
「………お前、このことは……」
ママには内緒だ。
絶対に秘密。
Fin。