眠姫にキスを。
彼女の名前は若林司。
学年は1つ上だが誕生日が3月31日生まれで俺とたったの2日違い。
俺は4月2日だから。
同い年なのに学年が違うのがどうしても納得できない。
何で1月から12月までに生まれた奴らを同じ学年にしなかったんだ。
それだったら司先輩と同じ学年だったはずなのに。
校内1の美女で思った通り司先輩は物静かな人だった。
笑って話したりすることもあるが基本は静かで、声も普通の声量より少し小さい。
俺は司先輩が当番の時を狙って図書室に行く。
話してみると結構好きなジャンルが一緒だったから会話が楽しかった。
司先輩と話をもっとしたくて、たくさん本を探して回っては紹介したり、今までの俺からする考えられない行動だ。
「今日も若林先輩に会いに行くのか?」
「あぁ。」
「一途だねぇ。でもすげーな。先輩を笑顔にさせるなんて。基本無表情が多いのに。」
良くも悪くも普通のこの男の名前は田中健一。
中学ん時からの友達だ。
でもサッカーがすげー上手くて女子に結構モテる。
健一は優しいから。
中学ん時、何かと男子と上手くいかなかった俺が唯一仲良くなれた奴。
久保田先輩と付き合っていて関係は良好。
久保田先輩が健一を押しまくって付き合う様に。
健一は押しに弱いからな。
「先輩と話してるお前マジ別人だよな。人間になったなお前も。」
しみじみとうんうん頷く健一。
失礼な奴だ。
俺は元から人間だ。