眠姫にキスを。



彼の名前は桜木瑞希くん。

1つ下の高校1年生。

超絶かっこよくて、頭脳明晰、スポーツ万能。

入学当初、瑞希くんの人気は凄かった。

毎日のように告白され、女の子達にキャーキャー言われていた。


瑞希くんのことを聞かない日はなかった。


名前は知ってたけど顔は知らなくて、瑞希くんが図書室で本を借りに来た時に知った。

女の子達が騒ぐのも無理ないと思った。


こんなにかっこいい人なかなか居ないから。


私は誰かと付き合うのもキスしたのもそれ以上も全部瑞希くんが初めて。

でも瑞希くんは初めてじゃないかもしれない。

上手いと言うか手慣れている。

いつも私を優しく抱いてくれるし。

キスも凄く上手で。

あんなにかっこいいんだもの。

付き合ってた子くらいいたよね。



「何で先輩と俺は学年が違うんだろう。誕生日そんなに離れていないのに。」




朝はいつも駅で待ち合わせして一緒に学校に行く私たち。

手を繋いで学校に向かいながら納得いかない顔で考え込む瑞希くん。



「先輩は3月生まれで俺は4月生まれなんだから、同じ学年でもおかしくなくね?」

確かにそうかもしれない。

私の誕生日は3月31日。

瑞希くんは4月2日。

2日間しか離れていないのでほとんど同級生と変わらない。

< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop