千紘さんのありがた~いお話
「そんなことないです。
 千紘さんは私にいろいろ嬉しい言葉をくれました。

 私、千紘さんの……

 なんだろう。

 上手く言葉にできませんが。
 なにかが好きなんです」

「……なにかってなんだ」

 そう問われ、真昼は小首を傾げる。

「いや、なんだかは、よくわからないんですけど。

 でも、なにかです。
 なにもかも、かもしれません」
と言うと、そうか、とようやく千紘は笑った。

 そのままベッドに倒そうとする千紘に、いやいやいや、と真昼は抵抗してみた。

 だが、
「なにが、いやいやいやだ」
と千紘に睨まれる。
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