千紘さんのありがた~いお話
「最後まで騒がしい町だったな……」
と玄関の方を見ながら千紘が言う。

「最初に来たときは、なんて静かな古い町って思ったんですけどね」

 そう笑いながら、真昼は玄関に出た。

 たぶん、此処でこうして人を出迎えるのは、最後だろうな、と思いながら、大きく玄関のドアを開ける。

「みんな、ありがとう。
 いらっしゃいませー。

 さあ、どうぞ。
 中に入ってー」





                     
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