極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
龍司としては忙しいから恋愛している暇がないと言いたかったのかもしれないが、実乃里は十二歳の年の差がネックになっているのだと捉えた。
ロイヤルへと引き返す中、打開策はないかと思案し、年齢を変えられなくても見た目を大人っぽくすれば、女性として意識してもらえるのではないかという希望を見出した。
(メイクとファッションを変えてみよう。でも私って小柄だから、大人っぽい服が似合わないんだよね。メイクは下手くそだし、困ったな。誰か教えてくれないかな……)
ロイヤルに戻ってくると、時刻は十六時四十分である。
店内には四人の客がいて、まったりと落ち着いた雰囲気だ。
マスターと洋子に、店を抜けさせてもらったことの礼を言った実乃里は、エプロンを着る。
すると「実乃里ちゃん」と奥のテーブル席のひとり客に呼ばれた。
その客は近所でスナックを経営している三十八歳の女性で、知り合いには深雪ママと呼ばれている。
これまでに実乃里はそのスナックに、何度かオードブルを配達したことがあった。
深雪ママがロイヤルに来店することは少ないが、たまにこうして出勤前にコーヒーを飲みに来る。
「いらしてたんですね。追加のご注文ですか?」
ロイヤルへと引き返す中、打開策はないかと思案し、年齢を変えられなくても見た目を大人っぽくすれば、女性として意識してもらえるのではないかという希望を見出した。
(メイクとファッションを変えてみよう。でも私って小柄だから、大人っぽい服が似合わないんだよね。メイクは下手くそだし、困ったな。誰か教えてくれないかな……)
ロイヤルに戻ってくると、時刻は十六時四十分である。
店内には四人の客がいて、まったりと落ち着いた雰囲気だ。
マスターと洋子に、店を抜けさせてもらったことの礼を言った実乃里は、エプロンを着る。
すると「実乃里ちゃん」と奥のテーブル席のひとり客に呼ばれた。
その客は近所でスナックを経営している三十八歳の女性で、知り合いには深雪ママと呼ばれている。
これまでに実乃里はそのスナックに、何度かオードブルを配達したことがあった。
深雪ママがロイヤルに来店することは少ないが、たまにこうして出勤前にコーヒーを飲みに来る。
「いらしてたんですね。追加のご注文ですか?」